7.5










 
 人気のない町から離れた倉庫へと誘導されているなと理解するが、態とそのままそちらへと歩みを進める。その方がこちらとしても好都合だ。これなら一般人を巻き込むこともない。唯一の懸念であった奴――怪盗キッドも、今日はさすがに来ることはできないだろう。そのために、昨日一日組織の目を欺いたのだから。
 それとも。こんなこと。キッドが己を探しているのではないかということは、自惚れなのかもしれない。いい加減呆れかえってものがいえない。もう、何かに期待するのも、縋るのも駄目だと解っているというのに。
 ちらりと腕時計で時刻を確認する。「そろそろか。」
 どちらにせよ、キッドは予告を優先せざるをえない。よって、今夜の出来事を誰も止にはいることはできず、同時に誰もここで起きることを知ることはない。
 誰の記憶にも残らないまま死に逝くというのはぴったりだと笑みを零す。
(あ。満月。)
 これも新たな門出と言えるなあと一人ごちり、新一は夜を駆けた。