ただいま。（ああ、今日はなんて

　
「あ！見てみて新一、お刺身安くなってる！買ってこうか？」
「どっちでも。」
「あ！ケーキがあんなに！新一どれ食べたい？」
「どれもいらない。」
「あ！ねえねえ新一、」
「･･･キッド。疲れるからもう帰っていいか？」
「駄目。小説の新刊欲しいならちゃんと俺の買い物にもつきあってよ。後、キッドじゃなくて快斗だってば。」
「･･･････････はあ。」
「何そのため息！？」
「なんつーか、世間一般の怪盗KIDのイメージとかけ離れてて。･･････はあ。」
「いーじゃん。俺は俺だし。大体、ケーキが嫌いな人とか理解できないね、俺は。こんなにおいしいのに！」
「俺は男のくせにケーキが大好きな奴が理解できないな。」
「そうかなあ？」

「そういや、何で俺の名字を九堂にしたんだ？」
「だってまんまだと組織の奴らにもまた目付けられるかもしんないしさ。」
「だったら漢字変えただけじゃなくて、もっと全然関係ない田中とか清水とかにすれば良かったんじゃねーの？」
「それじゃ駄目だよ。」
「何が？」
「だって、やっぱり工藤はくどうだし。」
「ワケわかんねえよ。お前。」
「そうかなー？」
「お前絶対変人だろ。あんなキザな格好もするし。」
「新一にだけは言われたくないよ！」

「そういや、お前に言い忘れてたことあった。」
「何？」
「助けてくれて、ありがとな。」
「････ど、どうしたのさ、急に。」
「別に。深い意味はねーよ。」
「ホントに？何処かにまた行ったりしない？」
「いかねえよ。ただ、こういうのはちゃんと言っとくべきだろうなって思っただけだ。」
「･･･新一、ちゃんと感謝の気持ち持ってたんだね。」
「お前俺を何だと思ってんだ？」
「我が侭で自己中で俺様で･･･。」
「ほーそうかお前俺のことそんなふうに思ってたんだな。良く分かった。」
「い、いだだだだ！ほっふぇつねんないへ！」
「うっせー。減らず口たたくな。」
「わかひまひた。」
「ふん。」
「痛ったー。強く抓りすぎだって、新一。」
「さっさと済ませて次行くぞ。次。」
「へいへい。」

「あ。」
「うん？どうかしたの？」
「空。」
「そら？別に何ともないよ？雨も降りそうにないし。」
「―――うん。いや、何でもない。」
「そう？それにしてはなんかさっきより嬉しそうじゃない？新一。」
「そうか？」
「そうだって！なに？なにが空にあったの？」
「何でもない。」
「嘘だー。」
「くどい。」
「あいたっ！」
「行くぞ。」
「うーい･･･。」

「さっさと来いよ、快斗。」

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